クソレビューアだらけのレビュー会をもう少し考える
クソレビューアだらけのレビュー会 という、はてな匿名ダイアリーのエントリがホットのようです。共感する方が多いのか、1日でブックマーク数が700を超え、結構な勢いでコメントがついています。
何を対象にしたどのような条件下でのレビューなのかを示す文脈は直接書いていませんが、
- ソフトウェア開発、システム開発における
- 欠陥の摘出を目的としたレビューであり
- レビュー対象はWord等のページ番号のある文書(仕様書や設計書)であり
- 少なくとも5名以上の同僚が集まる
- 対面の会議であり
- 文書の作成者が進行をリードするウォークスルースタイルで
- レビュアーはこの会議で初めて文書を読んでいる
ということが推測できます。
レビューのスタイル
であれば、もううまくいかないことは目に見えています。会議の場で初めて見る文書をウォークスルースタイルで作成者が頭から説明してゆくやり方は、設計の欠陥や仕様同士の矛盾などを見つけるのには向いていないでしょう。欠陥を見つけるには、レビュアーは自分のペースでページを行き来したり、ほかの文書と見比べたり、場合によっては紙に図を描いたりコードを書いたりした方が効果的でしょう。ウォークスルースタイルで事前に文書を配布していないと、そのような読み方ができず、欠陥が見つかりにくくなることが考えられます。
仕様書や設計書の欠陥摘出であれば必ずしも対面で会議する必要は無く、むしろ各レビュアーが自分のペースで集中してレビュー対象に向き合う時間をとり、その後で各レビュアーの指摘をまとめ、議論が必要となりそうな指摘内容があれば会議を開く方が効率的でしょう。また、誤字やフォントなどの体裁については、欠陥とは分けて記録しておいた方が欠陥の摘出に集中できるでしょう。体裁は簡単に指摘できますから、レビューした気になってしまいますので。
レビューには複数のスタイルがあり、ウォークスルーが悪なのではなく、目的よって向き不向きがあるので目的に合わせてスタイルを選びたいところです。
- カジュアルな欠陥摘出ならチームレビュー
- 厳格な欠陥摘出ならフェイガンインスペクション
- 教育や引き継ぎならウォークスルー
- コーディングならペアプログラミングかピアデスクチェック
といったところでしょうか。集まって読み進めるやり方しか知らないのであれば、ピアレビューでググるといいと思います。
各"クソレビュアー"の主観的ランク
これをわざわざ書くかどうか迷ったのですが、当の匿名エントリを読んだ感想の整理のために書いてみることにします。
○寒がり
クソどころか超重要。寒暖を我慢したまま会議をするなんてバカげてます。
○レアケース厨
悪魔の証明に類することを指摘しても意味はありませんが、レアケースであっても信頼性の向上に繋がりそうな指摘をして議論することは、そのレアケースを考慮する必要が無かったとしても有意義であると思います。
△ついていってない
これはおそらく、スタイルがウォークスルーにも関わらずレビュアーが自分のペースで集中して読み進めているために起こるので、チームレビューであれば良いレビュアーになるかもしれません。
△体裁厨、用語統一厨、箇条書き過剰、寂しがり、目悪い、指摘曖昧系
文体をわかりやすくしたり、見栄えを良くすることも必要かと思います。こればっかりでは困りますが、別に良いのではないでしょうか。9ptだと辛いから11ptにしてくれとか。
△遅れてくる系
これもウォークスルーをやめれば活躍する人かもしれません。
△寝てる
連日の疲れがたまっているのかもしれません。必須のレビュアーでなければそっとしておきましょう。
×成果物興味なし系
役立たずその1。居る意味が無い。ただし、レビュアーとしてマッチしていないだけで、この人がクソとは限らないことに注意。
×物忘れ激しい系
役立たずその2。居る意味が無いどころではなく害悪。レビュー以外でも迷惑をかけていそうです。
×PMO 「指摘密度が基準値に満たないので…
役立たずその3。非生産的な仕事をさせようとするクソパーソン。レビュー以外でも似たようなこと言いそうですね。