情報会議#3に参加してみて

情報会議

johokaigi.org

ソフトウェア開発チームの情報共有を扱う会に参加しました。 ちょうど最近チーム開発ツールに関する仕事をしていたところ、たまたまTwitterでPeatixの申し込みを見つけたのがきっかけです。 ただ、その時は既に満員で「満員かー」とツイートしたところ、主催者の@so1_さんから「キャンセル出たので参加しますか?」とリプライが来て参加することに。 そんなこともあるんですね。

グループワークでは幾つかの少人数グループに分かれて各々のお題について議論しました。 私がいたグループでは「情報共有ツールを導入する効果の定量化を求められてしまった」という悩ましいお題について考えました。 思い付きをポストイットに書いて貼っていくスタイルで考えたのですが、数名で前向きに考えると短時間でも結構アイデアが出てくるものですね。 アイデアは以下の5種類でした。単なる効率化では済ませないところが重要かなと思います。

  • 指標を考える前にまず導入目的や期待するを明確にする
  • どの程度利用されているかという指標
  • 現在の仕事の効率化に関する指標
  • 新しい価値に関する指標
  • 定量化せずに済ませる荒業

主催者の一人がIncrements社員(Qiitaの会社)ということもあってか、参加者は事前にQiita:Teamでお互いを知ったり情報共有に関する議論を重ねていました。 Qiita:Teamに触ることができたのも良い収穫でした。

あと、@so1_さんから誘われてLTしました。5分なのでLightningな感じで喋りました。人前で話す機会は仕事含めてここ2年でぼちぼち増えてきたのですが、実はLTと名がつくものはやったことが無かったり。最短記録更新。(最長は3時間)

情報共有のスコープ

単にソフトウェア開発のための情報共有といっても、人によって思いつくものは違うと思うのです。 VCS,BTS,CIといったチームのためのエンジニアリングツールで行われる情報共有なのか、 プロジェクトマネジメントツールなのか、チャットなのか、メーリングリストなのか、wikiなのか、身内(社内)SNSなのか、対面の対話なのか。

情報会議がどこに主眼を置いているのか今でもよくわからないのですが、今のところは 純粋なエンジニアリングツールやプロジェクトマネジメントツールがカバーする情報というよりは、 ナレッジシェア、メンバーが欠けてもタスクが継続できるようにする、モチベーション向上…といったことをするための情報に 重きが置かれているのではないかという所感です。

この先、議論を進めるには共有したい情報とは何なのか、共有したいシチュエーションとは何なのかを具体的にし、 幾つかの典型例をもとに掘り下げてゆく必要があるのではないかと考えています。

情報共有ツールの利用に必要なメディアリテラシー

Webベースの情報共有ツールを利用するにはいくらかのメディアリテラシーが必要だと思います。

  • フリーワード検索, 検索式
  • カテゴリ, タグ
  • @アカウント名 で通知
  • いいね, thanks
  • 個々人のアカウントごとにアイコンがある
  • 全員でばりばり書く
  • 共同編集する
  • コメントをつける
  • 編集履歴をつける
  • 編集リクエストを送る
  • Markdown などのテキスト記法
  • リアルタイム性によるツールの使い分け
  • チームメイトが喜ぶように/傷つかないように

これらはブログ・SNSVCSを使用している人にとっては自然と身についていることだと思います。 しかしそういう人ばかりではないのではないでしょうか? 日本でSNSmixiFacebookによって広まりましたが、そのうち構造のある文章をブラウザから書いた経験のある割合はどの程度なのか。 @masskanekoがアカウント名だとわかる人がどの程度いるのか。 書いが方が良いことと書いてはいけないことの区別をつけつつアクティブに使える人がどの程度いるのか。 そういったメディアリテラシーを学ぶ機会が必要だと思うのです。

大学や高専ではコンピューターリテラシーと呼ばれる授業があり、ファイルやフォルダの概念、文書作成、メール、インターネット検索エンジンについて学ぶ機会があります。 現在ではもしかすると情報共有ツールを円滑に利用できるだけのリテラシーを教えているのかもしれませんが、今の働き盛りの年代の方々を主な利用者とするのであれば 組織内での教育努力が必須なのではないかと思います。もちろん、そういった努力があまり必要でない組織もあるかと思いますが、それはかなりラッキーなのではないでしょうか。

次回参加するかどうか

情報共有そのものについて考えたのは初めてですが、浅くないなと思いました。 道具はもうあるんです。でもうまく使うにはかなり人間にフォーカスした努力を行う必要があるのだと思います。

当たり前ですが、情報共有ってツールが登場する前からも行われていたはずです。人間にフォーカスするのであれば歴史に学ぶのが良いのかなと。 Wikiが登場する前はどうしていたのか。 Web技術が無かった頃はどうしていたのか。 掲示板か。回覧板か。 実はタバコミュニケーションや飲みニュケーションのような昭和のアナログな手法でまかなっていた情報共有が現在の情報共有ツールの役目に相当するのではないか。 100年前はどうだったのか。

もちろん、テクノロジー面からのアプローチもまだまだこれから発展すると思います。 botが一週間のまとめ記事を作ったり、個々人の端末の画面やキー操作から困っているかどうかを判別したり、手首につけた社員証デバイスが今日の気分を読み取ってグループウェアに送ったり…。

そういう世界もあるなぁと思いつつ専門家になる気は全くありませんが、少なくとも身の回りのチームが円滑に仕事できるにはどうすれば良いかを考える機会として、次があれば参加したいと思いました。