SQiPシンポジウム2022 併設チュートリアル "演習で学ぶソフトウェアエンジニアリング" の後記

去る2022年9月7日の13時~17時、SQiPシンポジウム にて "演習で学ぶソフトウェアエンジニアリング" というチュートリアル(講座とも言う)を開きました。 この講座は、原著が大学の教科書として採用されている 実践ソフトウェアエンジニアリング第9版 (以下、…

ISTQB CTFL-AT (Agile Tester) 受験記

まとめ この文章は ISTQB CTFL-AT というアジャイル開発向けテスターの基礎を問う試験の受験記。日本語の情報が乏しいので書いた。 英語なのはちょっとネックかもしれないけど簡単でしょと踏んだら案外苦労した。 PearsonVue で iSQI または Brightest を選…

家庭菜園 2021年度総括

貸し菜園(30m2)、実家の庭の一部(たぶん合計10m2)で行った2021年度の栽培結果を記録します。 区切りを年度にした理由は3月に冬野菜の収穫が終わるからです。12月に植えて5月に収穫するたまねぎのように年度をまたぐものもありますが、どちらかといえばきりの…

Software Engineering: A Practitioner's Approach 1st edition (1982)に見る歴史

まとめ Software Engineering: A Practitioner's Approach 1st edition (1982) はソフトウェアエンジニアリングの教科書として最初期のもの。9版(原著2019、邦訳2021)が最新。 ソフトウェアエンジニアリングはソフトウェア危機(software crisis)に呼応して生…

Googleのソフトウェアエンジニアリング、実践ソフトウェアエンジニアリング第9版の関係

まとめ 両者のソフトウェアエンジニアリングの定義は大体似ている。「規律」が共通点。規律でありながら適用が厳格でないと述べている点も一緒。「時間で積分したプログラミング」が SEatGoogle での独特な表現。 SEPA はソフトウェアエンジニアリングの全体…

初めての英日翻訳で学んだこと

この文章は 実践ソフトウェアエンジニアリング第9版アドベントカレンダー の6日目です。 "実践ソフトウェアエンジニアリング第9版"(原著: Software Engineering: A Practitioner's Approach 9th edition) が2021年12月1日にオーム社より発刊されました。これ…

ET&IoT2021 講演 - 米国修士課程ベストセラーに学ぶ体系的ソフトウェアエンジニアリングの必要性

この文章は 実践ソフトウェアエンジニアリング第9版アドベントカレンダー の3日目です。 2日目は読書感想文 でした。 今回は ET&IoT2021 という場で本書について講演してきた話を書きます。 ET&IoT とは ET&IoT とは、主に製造業を中心とした業界関係者向け…

実践ソフトウェアエンジニアリング第9版の感想

この文章は実践ソフトウェアエンジニアリング第9版アドベントカレンダーの2日目です。 私は Software Engineering: A Practitioner's Approach: 9th edition の翻訳活動に参加し、2021年12月1日に 実践ソフトウェアエンジニアリング第9版 としてオーム社より…

自由を得るためのフルタイム職からの離脱

これは退職エントリと称される随筆です。 転職エントリではありません。 その離れた職とは 2021年6月30日をもって日立製作所を退職しました。2017年4月よりソフトウェア工学の研究者として*1 約4年働きました。その前職は全社的な技術向上を目標とするソフト…

2020振り返り

「お前はいつまで会社で働いているのか?」 「この先もソフトウェア・エンジニアリングの仕事を続けるのか?」 「前よりマシになるのではなく、大きな目標はないのか?」 もうひとりの自分からの問いかけは何年も前から度々聞こえてきました。 2017年に転職…

Azure Rock Star Community Day #2 - 年末年始はスキルアップ

azurerockstar.connpass.com ここ1年 Azure DevOps を使っているので Connpass で Azure 関連の会を探す機会が増えました。 そこで、この会が目に止まりました。Rock Star とは一体、と。 どうやら日本で有志が運用している Azure コミュニティと Microsoft …

Azure DevOps を1年間使ってみて押さえておくべきと思ったこと

これはAzure DevOpsアドベントカレンダー5日目の記事です。 qiita.com 仕事でも個人でも Azure DevOps Services を使って1年くらい経ちました。 Azure DevOps Services を選択してから現在までの経験の中で、これから使う方々が押さえておくべきであろう事柄…

あの日々はどのくらいアジャイルだったのだろうか

10年ほど前に、うまくいったと思えるソフトウェア開発の経験があって、今もときどき思い返すことがあります。 そして、それは ある程度アジャイルだった のではないかと思っています。うまくいった例の原体験とも言えるものです。 https://twitter.com/massk…

紹介 - How Microsoft is modernizing its internal engineering processes

先日の Microsoft Build にて Microsoft のエンジニアリングを知るセッションがあったのですが眠くて逃してしまいました。 Expert Q&A: Modernizing Microsoft’s Internal Engineering Practices あーあ逃しちゃった。他に似たような講演があったりしないだ…

Azure Boards に対する期待と実際の違い

Azure Boards は優れたツールだと思いますが、私が期待していた振る舞いと実際が違うという場合があります。 それらがどういうものなのかを列挙していきます。 該当する要望は Developer Community に載っている場合があります。実装予定の場合もあります。 …

Azure Boards 入門時の Choose a process

Azure DevOps のプロジェクトマネジメント機能である Azure Boards では、要求、バグ、タスクなどのソフトウェアエンジニアリングで扱う項目を Work item という単位で扱うことができます。 Work item に相当する情報は、類似のツールで "チケット", "Issue"…

ヤンゴン旅行記

仕事でミャンマーのヤンゴンへ行きました。わずか2泊3日でしたが面白かったので仕事以外のことを記します。 まさか初めての海外出張先がミャンマーとは、何があるかわからないものです。 成田からヤンゴン国際空港へ片道約7時間。台湾が中間地点ってところで…

JaSST'20 Tokyo RejectCon

勢いでブログ枠に参加登録していたイベントに参加しました。 わかった— Mass Kaneko (@masskaneko) January 29, 2020 なぜ「わかった」と返信したのか、今でも覚えていません。 「そういうこともあるか…」と勤務先から前向きに会場へ向かおうとした矢先、お…

ボーイング737におけるソフトウェア外注の結果

Boeing’s 737 Max Software Outsourced to $9-an-Hour Engineers 長い原文を私から見て要約/意訳するとこうなります。 ボーイングは航空ソフトウェアの開発費を減らすためにオフショアを企業戦略として大々的に検討。H1B ビザで渡米している優秀な技術者に頼…

全身麻酔で親知らずを3本抜いた

親知らずを一度に3本抜くというのも、全身麻酔をするというのも、入院するというのも初めての体験だったので記しておきます。 これを書いているのは術後1ヵ月~2ヵ月です。結果から書くと手術はうまくいき、そこまで辛くはなく、やってよかったと思っていま…

GitLab Meetup Tokyo #12: 2018年振り返り に参加しました

gitlab-jp.connpass.com GitLab ユーザーなので GitLab のイベントに参加してみました。 上記イベントページの概要欄をみると、GitLab ってどんどん成長しているんですよね。 基本的には Git リポジトリホスティングシステムで Issue トラッキングと CI もで…

チェコ、ドイツ、フィンランド旅行記

チェコ(プラハ, ピルゼン)、ドイツ(ドレスデン)、フィンランド(ヘルシンキ) の3か国を旅行してきた。 主な目的はビール。チェコにはピルスナーウルケル(Pilsner Urquell)というピルスナーの祖となるビールがある。 これをお目当てとして、ついでに周辺にも行…

NUC6i7KYK

およそ9か月、プライベートではMacbook Airのみを使っていましたが、スペックの良いWindowsマシンが欲しくなり、NUC6i7KYKを買いました。4コアのCPUが乗っていて、メモリとSSDを自分で足すというベアボーン形式のPCです。メモリは32GB、SSDは512GBのものを2…

転職:2017

新卒で入社した車載システムの大企業に10年近く勤め、3つの職種を経験し、退職しました。最初はプログラマーで、次に企画職を少し、最後は複数のソフトウェア開発チームに対して技術支援をする職種でした。退職してから転職活動をし、巨大企業で研究開発をす…

モダンなチーム開発環境を追求しよう : SQiPシンポジウム2016 SIG8

SQiPシンポジウム2016に参加し、SIG(special interest group)と呼ばれる特定のテーマについて議論やワークショップなどを開く場の一つを主催しました。テーマは モダンなチーム開発環境を追求しよう というものです。 www.juse.jp 開催の動機 チーム開発 と…

私がコンピューターで文書を書く方法の変遷

最近になってMarkdown形式で文書を書くことが増えたのですが、改めて考えるとコンピューターを使って文書を書く方法は多様であって、それらの方法をどれだけ経験しているかも人によって様々ではないかなと考えることがあります。 例えば、PC上のMicrosoft Of…

カメをウサギには変えられないことの認識が技術支援のスタートなのではないか

組織にテストを書く文化を根付かせる戦略と戦術 from Takuto Wada www.slideshare.net ※スライドの技術的内容とは関係ない文章です スライドの13枚目 "人は自分の速度でしか成長できない""プロジェクトもプロジェクトの速度でしか成長できない""まわりはもう…

SQuBOKから経営の世界へ, マーケットの世界へ

はじめに SQuBOK V2読破会アドベントカレンダー20日目のブログエントリーです。 www.adventar.org SQuBOKというのはこれです。ソフトウェア品質知識体系ガイド。 Google Books で一部を読むことができます。 books.google.co.jp SQuBOK V2の章構成は2章のマ…

SQuBOKの中で一番好きな箇所

はじめに SQuBOK V2読破会アドベントカレンダー12日目のブログエントリーです。 11日目は 「不具合管理」を見てみる | 四方山話 でした。 www.adventar.org SQuBOKというのはこれです。ソフトウェア品質知識体系ガイド。 Google Books で一部を読むことがで…

SQuBOKによる無知の知の体験

SQuBOKv2読破会アドベントカレンダー4日目のブログエントリーです。 www.adventar.org SQuBOKの入手動機と読破会への参加動機 SQuBOKというのはこれです。ソフトウェア品質体系ガイド。 ソフトウェア品質知識体系ガイド -SQuBOK Guide-(第2版)作者: SQuBOK策…